チューリップウッド(TULIPWOOD)
主 産 地  ブラジル北東部、バイア、ペルナンブコ州近辺に生息
別   名  pau rosa、jacaranda rosa、pau de fuso、ピンクウッド
外   観
 魅力的な桃黄色の心材に、ブラジリアンチューリップウッド特有の赤紫色、鮮紅色、淡紅色の斑紋の模様が入っている。名前に示されているとおり、この美しい木材を使って実際に、赤や黄色のチューリップの花が模造されることがある。時間の経過とともにその鮮烈な色彩はやや薄れていくが、それでもその美しさは印象的である。樹木がねじれて生長することが多いため、木理はたいてい交錯あるいは不規則で、肌目は中庸から精である。心地よい微香を放つ。

主要特性
 乾燥はかなり容易で、乾燥後も寸度はかなり安定している。非常に硬く、緻密な、凝縮した木材のため、製材に割れることがあり、また加工が難しいので廃材率が高くなる傾向がある。割裂を生じやすく、刃先を激しく鈍磨させる。釘打、ネジ止めに際しては下穴をあける必要があるが、接着性は良い。生来の高い光沢を持っているため、仕上りはとても美しい。耐久性は低く、虫害や真菌には抵抗を示すが、保存薬剤による処理はきわめて困難である。

用   途
 ルイ15世、16世ご用達の木材であり、古典的な18世紀英国家具に広く用いられた。アンティーク家具の補修や再生において、装飾的クロスバンディングや象嵌細工に用いられるため、たいていは鋸で板材を切り分けられる。ブラジルではろくろ細工用の木材として、ブラシの柄やマリンバの鍵盤、手箱、宝石箱、小間物など使われる。


備   考
 チューリップツリー(Liriodendron tulipifer)と混同しないように注意が必要。
 
総 称 名  ブラジリアンチューリップウッド
学   名  Dalbergia frutescens
産   地  ブラジル
科   目  マメ科
比   重  気乾比重 0.96  広葉樹
参考資料:世界木材図鑑(産調出版)
       木材活用ハンドブック(産調出版)
       熱帯の有用樹種(大日本山林会)