シカモア(SYCAMORE)
主 産 地  中央ヨーロッパ、南ヨーロッパ
別   名  シカモアプレーン、グレートメープル、プレーン
外   観
 辺材と心材の色の差はほとんどなく、ともに乳白色で自然な光沢がある。時間をかけてゆっくりと乾燥させた木材は、薄黄褐色に変化し、ウェザード(古色)シカモアと呼ばれている。木理は概してツ直であるが、カーリー(巻毛状)または波状の木理のものは、柾目木取りの材面に、大変魅力的なフィドルバッグ杢や、放射組織によるレース状の杢をあらわすものがある。肌目は精で均一である。

主要特性
 天然乾燥は良好でかなり早いが、木口積みをしないと、しみがつく可能性がある。人工乾燥も良好で、乾燥後の狂いは中庸である。曲げ強さ、圧縮強さとも中庸だが、耐衝撃性は低く、剛性はかなり低い。そのために蒸し曲げには適している。
 柾目木取りの板材の交錯木理または波状木理の箇所では、鉋削に際して木理が逆立つことがあるので、刃先の角度は浅くした方が良い。釘着性、接着性ともよく、塗装性も良好で、美しい仕上りが得られる。

用   途
 シカモアは古くからリュート(15〜16世紀宮廷音楽の代表的な楽器)の指板や肋材として、またバイオリンの背板として用いられてきた。ろくろ細工に最適の木材で、織物を巻く心棒、糸巻きの芯、ブラシの柄、乳製品木さじ、ハンガー、食品収納箱などに加工されている。古くから、科学的処理を施して銀灰色系の色合いに変色させ、へア(野兎)ウッドとして販売することが行われてきた。染色されて、寄木細工や象嵌細工に用いられることもある。

備   考
 アメリカ合州国産のシカモア(Platanus occidentails)と混同しないように。
 
総 称 名  シカモア・ヨーロピアンシカモア
学   名  Acer pseudoplatanus
産   地  ヨーロッパ(ドイツ・オーストリア・スイス・フランス)
科   目  カエデ科
比   重  気乾比重 0.61  広葉樹
参考資料:世界木材図鑑(産調出版)
       木材活用ハンドブック(産調出版)
       熱帯の有用樹種(大日本山林会)