ペアウッド(PEAR WOOD)
主 産 地  ヨーロッパ全域
別   名  ヨーロピアンペア、コモンペア
外   観
 辺材は淡黄色から帯赤黄色で、心材は肌色から帯桃淡褐色までさまざまである。孔や管が非常に微細であることから、他に例を見ないほどに特質で、肌目はきわめて精で均一、滑らかである。柾目木取りの材面には、基質よりも暗い色をした微細な斑としてあらわれる放射組織がかすかに確認できる。木理は通直であるが、時に不規則で、それが美しい斑紋杢を形成することがある。

主要特性
 乾燥は遅いが、不規則木理が存在する場合は、若干反りやねじれを生じる傾向がある。しかし短尺でのみ利用可能な木材であるため、強度はあまり重要視されない。蒸し曲げには適していない。機械による加工は容易であるが、鋸断は難しく、刃先を鈍磨させる性質が強いので、刃先は鋭く研磨しておく必要がある。接着性は良好で、ステインと艶出し材で美しく仕上がる。腐朽しやすいが、保存薬剤の含浸は容易である。
用   途
 ろくろ細工に最適な木材で、遊具、ブラシの柄、傘の柄などに加工される。また直角定規、T定規などの測定器に用いられる。非常に精の木理を有しているため、彫刻、木彫にてきしており、またリコーダーのような楽器にも用いられる。

備   考 フランス・ドイツから産出されるものが最上のものであると言われている。
果樹を採るためにつねに多く植えられ、十分大きく成長した古木から切り倒される。果樹を生むという役目を終え、希望に満ちた次の活躍の場へと向かうのである。
総 称 名  ペアウッド
学   名  Pyrus communis
産   地  南ドイツ
科   目  バラ科
比   重  気乾比重 0.69〜0.70  広葉樹
参考資料:世界木材図鑑(産調出版)
       木材活用ハンドブック(産調出版)
       熱帯の有用樹種(大日本山林会)