パドウク(PADOUK)
主 産 地  ナイジェリア南部よりアンゴラにいたる赤道アフリカの常緑多雨林に分布する。
別   名  カムウッド、バーウッド、アフリカンコーラルウッド
外   観
 伐採直後の心材は非常に鮮烈で、血のような鮮紅色をしており、時間の経過とともに赤い縞の入った暗紫褐色になる。辺材は心材とは対照的な淡黄色である。木理は通直から交錯で、肌目は中庸から非常に粗いものまで木によってさまざまである。
主要特性
 乾燥は殆ど劣化することなく良好である。非常に緻密な木材で、曲げ強さ、圧縮は高く、剛性および耐衝撃荷重性は中庸である。蒸し曲げには適さない。寸度安定性は例外的なほどに高い。手道具でも機械でも加工は容易で、刃先を鈍磨させる性質もわずかしかない。釘・ネジ着性は良く、接着も容易で、艶出し材により美しい仕上りが得られる。非常に耐久性に優れ、腐朽に対する耐性に優れていることで有名である。保存薬剤による処理はかなり難しい。

用   途
 染料を抽出する木材として世界的に有名であるが、高級キャビネット家具、内装建具にも広く用いられている。また高級ろくろ細工用木材であり、ナイフや道具の柄のほか、工芸小物に加工される。彫刻、木彫にも最適である。特殊な用途としては、電気設備備品、水準器がる。ボート建造にも適している。アフリカではオール、農機具に使用される。耐摩耗性に優れていることから、装飾性があり、かつ高い歩行頻度に耐える床材として理想的で、特に寸度の安定性に優れているので、床暖房を設置する床の材料として最適である。美観に優れた木材はスライスカットされ、キャビネットや羽目板用の化粧単板にされる。

備   考
 
 
総 称 名  アフリカンパドウク
学   名  Pterocarpus soyauxii
産   地  ガボン共和国・ザイール
科   目  マメ科
比   重  気乾比重 0.65〜0.85  広葉樹
参考資料:世界木材図鑑(産調出版)
       木材活用ハンドブック(産調出版)
       熱帯の有用樹種(大日本山林会)