キングウッド(KINGWOOD)
主 産 地  ブラジル北東部のセアラ州、ペルナンブコ州のカーティンガCaatinga(刺のある灌木林)の地帯に、どこにでも多く見られる。
別   名  ブラジリアンキングウッド、ヴァイオレットウッド
外   観
 心材は、黒色へと徐々に変化していく深みのある赤紫褐色の地に、黒、赤紫黒色、赤紫褐色、そしてt期には黄金色の縞模様や筋が走っている。ほとんど白色に近い辺材ははっきりと区別できる。心材は光沢があり、精で一定の肌目を持ち、非常に滑らかな表面を持っている。

主要特性
 非常に重たい木材で、天然乾燥では割れにも注意する必要があるが、人工乾燥では劣化もなく、乾燥後も安定している。あらゆる尺度で強度にすぐれた木材である。重硬であるにもかかわらず、刃先を鋭く研磨しておけば、手道具でも機械でも加工は容易である。釘・ネジ着性は良いが、した穴をあける必要がある。接着剤を使用するときは注意が必要である。木質に蝋を含んでいるため、天然の光沢があり、美しい高輝度の仕上りが得られる。耐久性は高く、保存薬剤による処理は難しい。

用   途
 ろくろ細工で優れた性質を発揮し、木鉢や小さな工芸品に加工され、また彫刻を施したものは貴重品となっている。機械でスライスカットするには木材が小さすぎるので、鋸でひいて化粧単板にされ、寄木細工や象嵌細工に、そしてアンティーク家具の補修、再生のためのオイスターベニヤとして用いられる。

備   考
 キングウッドは名前にふさわしく、たしかに木材のなかの大様である。フランスのルイ14世、15世の時代、そして英国家具の歴史におけるジョージア王朝時代には、パリの高級キャビネット工房が好んで用いた木材である。
 
総 称 名  キングウッド
学   名  Dalbergia cearensis
産   地  ブラジル
科   目  マメ科
比   重  気乾比重 1.20  広葉樹
参考資料:世界木材図鑑(産調出版)
       木材活用ハンドブック(産調出版)
       熱帯の有用樹種(大日本山林会)