白檀(BYAKUDAN)
主 産 地  最も多く分布しているところは、インドおよび南太平洋の地域である。インドではナシクおよび北サーカス山脈以南のインド亜大陸であるが、マイソールクールグおよびマドラスの一部に多い。また南太平洋の地域ではニューギニア、オーストラリアである。
別   名  チャンダン
外   観
 色調による辺、心材の区別は明らかなものと明らかでないものとがある。心材は黄褐色、褐色あるいは赤褐色などを呈し、辺材は白色である。(Santalum album)木材の色調は黄色ないし、淡黄色である。Santalum macgregorii
 木理はやや不規則で肌目は精、強い芳香を持つ。濃色の木材は紫外線によって弱い蛍光を出す事がある。道菅は小さくて散在し、黄色の沈積物やチロースを含むことがある。

主要特性
 木材は重硬で、加工的性質や物理的・機械的性質についての記載は殆どが見当たらないが、強度性能は比重の割にはそれほど大きくない。耐久性はかなり高いと評価されている。

用   途
 インド原産のSantalum albumはとくに白檀として古くから有名である。その芳香性のある木材と、心材から得られる精油である白檀油とが珍重された。白檀油の主成分はセスキテルペンアルコールであるサンタロールで、以前は医薬用(治淋剤)に供されたが、ズルフォンアミドが発明されてからは専ら香料に利用されている。

備   考
 サンダルウッドは、日本では古来びゃくだん(白檀)またはせんだん(栴檀)と呼ばれ、香木として珍重されている。檀とは、古くより中国人が貴重な材に対してつけた称呼で、白檀とは、木材の色が白色系であるために、紫檀、黒檀などと区別してつけられたものである。またせんだんは、もともとインドのこの樹に対する地方名であるチャンダンまたは、サンダルの中国の音訳によるものといわれ”せんだんはふたばより芳ばし云ケ”の歌もまたこの白檀を意味するものである。(俗に日本で、Meliaceae をセンダン科とし Melia azedarach L.をせんだんと称しているが、ここでいうせんだんではない。
 
総 称 名  サンダルウッド
学   名  Santalum yashi
産   地  バヌアツ共和国
科   目  ビャクダン科
比   重  気乾比重 0.80〜0.9  広葉樹
参考資料:世界木材図鑑(産調出版)
       木材活用ハンドブック(産調出版)
       熱帯の有用樹種(大日本山林会)