リグナムバイタとパロサントについて
お客様より、よくリグナムバイタとパロサントは同じ材ですか?と聞かれる
ことが多いのですが、リグナムバイタとパロサントとはよく似ていますが別の材になります。

 リグナムバイタ  パロサント
学名 Guaiaum officinale 
産地 メキシコ

ハマビシ科
学名 Bulnesia sarmientoi Lorentz et Gris 
産地 パラグアイ

ハマビシ科
 



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リグナムバイタ木口の写真

 
パロサント木口の写真
   こちらの画像は左側がリグナムバイタ、右側がパロサントとなります。どちらも紫外線にあたる前と、あたった状態とが1枚の板で見て頂けます。このように次第に色は変化していきます。
  リグナムバイタはGuaiaum officinale の材につけられた米国の商品名である。日本では癒瘡木(ユソウボク)と呼ばれています。
 辺材は淡黄色で薄い。心材は濃緑褐色または黒色に近い。肌目はひどく精で均斉、杢理は非常に交錯している。成長線がはっきりしている。材中多量(25%前後)の樹脂を含有し、油状の感触をもつ。材は極めて堅硬、緻密、ねばりがあり、気乾比重は1.2〜1.3前後、商業材の中最も重い材の一つである。
 また耐久性は著しく高く、腐れやシロアリの侵害には非常につい良い。乾燥は困難で、非常に遅い。
 この材は、その昔(1508年)難病特効薬としてヨーロッパの医者に紹介され、約2世紀にわたって、高価に取引された。Lignum-vitae とは英語のwood of Life の意味で、この材と樹脂が特異の医薬力をもっているとの創造から起こった名称である。


  パロサントはBulnesia sarmientoi の材につけられたアルゼンチンならびにパラグアイの名称です。
 Bulnesia 属の樹木は材中に多量の樹脂を含み、リグナムバイタと材質が良く似ている。
 辺材は白黄色、心材は黄褐色ないし褐色で緑色がかっている。縦方向に美しく、滑らかな光沢のあるより濃色の縞帯をくっきりともっている。材中に多くの樹脂と精油物質を含み、気持ち良い香りがある。濃褐色の材には15%の樹脂を含むと報告されている。材は非常に重く、気乾比重0.99〜1.10。
 パラグアイやアルゼンチンでは、樹脂の多い心材部を教会のくん香に用いており、このためParo Santo の名がある。またこの材からは5〜6%くらいの精油が抽出されるが、Guaiac油あるいはOleum ligni guaiaci などと呼ばれて、香料原料として取引されている。


 引用文献:熱帯の有用樹種(大日本山林会)
 ◎普段材を扱っている中で感じたこと
★特徴として色は深緑が多いです。
 

★とれも割れやすい。
★パロサントのような甘い香りはしない。
★紫外線にあたると色の変化が現れますが、もとには戻らないようです。

★パロサントより硬い
★パロサントのような白いキラキラした粉はつきません。
★パロサントは明るい緑色で、ヘリンボーンのような木目が特徴です。
★リグナムバイタに比べると割れにくい。
★甘い香りがします。
★紫外線にあたると色の変化が現れますが、また紫外線があたらない場所にもどすと、色がもとに戻ってしまいます。
★リグナムバイタより硬くない
★白いキラキラした粉がつくことがある
(カビではありません)

    
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 (注)上記の写真について
たくさんの原木の中には、リグナムバイタによく似たパロサントがあったり、パロサントによく似たリグナムバイタもあります。あくまで参考にして頂けると幸いです。