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パラー州への、IBAMA,連邦政府の介入、調査
2008年2月25日
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二枚の新聞記事、それに、翻訳分を同封しています。内容はかなり厳しい。その背景説明をします。
(1)今から3年前、「クルピナ作戦」と呼ばれる一斉介入がありました。IBAMA,連邦警察が参加して、不法伐採森林業者、牧場、農場主、更に、中小の製材業者の書類まで調べて、違法を見つけ次第、閉鎖命令を出した。この作戦により、マットグロッソ州の半分の製材所が閉鎖された。私はこの時、その真っ只中におりました。この時思った事は、『何故、マットグロッソ州への集中介入なのか?』と言う疑問だった。介入の70%が、マットグロッソ州、20%がパラー州、10%がその他の州だった。パラー州からの輸出木材は、恐らくアマゾン全体の80%を占めると思う。アマゾンの不法伐採を取り上げるならまず始めにパラー州を締め上げねばならない筈だ。あの時は、ルーラ大統領の2期目の選挙直前、そして、パラー州には、ルーラと同じ、PT党(労働者党)の女性知事が立候補していた。(大統領と知事の選挙は同時に行われる)。パラー州には貧民が多く、彼らに衆愚政治をしている与党、PTにとっては、絶対に取らねばならぬ知事の椅子であった。一方、マットグロッソ州の知事はやはり2選を目指すマッギ氏である。彼は野党党首、そして、ブラジル有数の穀物栽培会社の御曹司でもあり、農業牧畜業者の多いマットグロッソ州では、選挙民たちはこの知事を身近に感じて圧倒的な支持を行った。だからルーラには、目の上のタンコブだった。
(2)あれから、3年経過した。あの年も、その翌年も、ベレンからの欧米向けは勿論、日本向けのデッキ輸出量にも大きな変化はなかった。マットグロッソの様な、50%の製材所が閉鎖に追い込まれたというNewsも聞かなかった。ただ昨年に、「ブラジル政府がアマゾン横断道路(約3000km)の道路の両側、約100kmにわたって国有林の払い下げをする」という噂は、耳にしていた。と同時に、「パラー州では、土地権利証明証がないから、IBAMAの伐採プロジェクトが中々下りない」とも聞いていた。だから、パラー州の問題は、土地の権利書か、と言う印象を持ち、それへの時間をかけた介入準備か?とも思った。
(3)30年ほど前、ブラジルは軍人が政治を握っていた。そして国威発揚の為に、国民にアマゾン開拓を訴えた。当時のアマゾンは『緑の魔境』。そして南ブラジルから多くの国民が参加した。誰の土地か分からない。密林を伐採して自分で柵を作れば、それが所有権であった。マットグロッソの大地は平面である。だから人々は穀物栽培を目的とした。その為には土地に投資せねばならぬ。だから「土地の計測、登録」と言う意識が皆の頭に出来た。アメリカやオランダの穀物輸入業者も投資して大型農業を始めた。登記所が出来て、地権書が発行され始めた。パラー州の大地は、凸凹が多い。大型機械農業には不向き。だから、人々は、次々と密林を伐採して製材所を建設して木材事業を拡大していった。事実、原木の質は、マットグロッソ州よりはるかに大径木であり、質がよかった。アマゾン河の肥沃な土地のおかげだろう。だから「略奪林業」となり、人々は権利書にあまり注意しなかった。『俺の権利書はこれさ』と言って、ライフル銃を見せる男たちも多くいた。そして、今になって、パラー州政府は、土地の測量、権利書の作成に動きだした。それがないとIBAMAは木材業者の伐採計画書を審査しようとしない。しかし、太古の昔よりほったらかしにしておいたアマゾンの大地の所有権をどの様にきめていくのだろうか?道は遠い。
(4)『この土地は、俺がガキの頃、親父と一緒に密林の中に入って開拓したものだ。あの頃はこのあたり一面密林だった、何も無かった。そして、叔父もやって来て、皆で一緒に開拓地を広げていった。だから全て俺たちのものだ』。 しかしそれを証明する公正証書がない。だからIBAMAの伐採許可が下りない。自分たちも食べていかねばならない、従業員の給料も払わねばならない。死活問題だ。注文はある、後ろの山に原木はある。それを目の前にして何もしないわけにいかぬ。『やってまえー』、人間心理として当たり前の行動だ。
一方、パラー州政府は、「300万m3の原木伐採を許可したが、実際には1200万m3の原木が伐採されている」事を認めざるをえなかった。つまり、完成品の輸出統計からすれば、許可原木300万m3では到底まかなえぬ、合計、その4倍の原木が無ければ生産されない製品が輸出されている事に気がついた。1200万m3−300万m3=900万m3の原木が不正に伐採されているのだ。
当たり前だ。食っていかねばならない奥地の製材業者たちが、勝手に原木を伐採して製材品にしてベレンの大手の輸出業者に送り、彼らの持つベレンのマフィア組織(IBAMA,国税務署、輸出管理局など)から不正に取得したその材の原産地証明をつけて輸出して来たのだ。それの積み重ねが、上記の許可原木では到底生産されない完成品の輸出量となって現れている。
(5)ブラジル政界は、「利権と、嫉妬と、功名」がうごめく世界である。BRICsと囃されて、世界の金余りの連中の賭博所にされているブラジルも、あと1−2年も経てば、その資金はさっと引き揚げられて、昔の金不足のブラジルに戻る。ルーラ大統領も2期8年の任期を終えて退任する。彼の後を継ぐPT党の有力な政治家はいない。むしろ、マットグロッソ州の知事を始めとする野党に適任者が多い。ルーラ大統領は、今年の地方選挙を終えれば、その結果しだいでは、後は2年のレイムダックになりかねない。
そこまで計算した、野党政治家、警察、官僚たちのグループが、今、突然に『何処から原木が出て来たのか?』と叫びだして、これを突破口にして、パラー州知事の椅子を奪い、そして、PT党党首のルーラ大統領の責任を追及して、追い落とし作戦の始まりだと勘ぐっても、決して間違っていない。
(6)私は、この2枚の新聞記事を、10日ほど前に入手していた。表面上は、アマゾンの奥地の製材所が不法伐採してその原木が押収されたという、アマゾンによくある出来事の報道である。しかし、よく読んでいくと、マリナ環境相の発言の中に、見逃せない重大な言葉が含まれていることに気が付いた。私一人では判断がつかない。だから、10日前に予定していたマットグロッソ奥地の製材所訪問まで待っていた。そこには私の10年来の友人で、本来は化学技師、それが木材屋に転身、その町の市長も勤めた奥地には珍しい有識者がいる。久しぶりの邂逅を喜び合って、1週間近く滞在して色んな事を話しあった。そして、この記事を見せて、彼の意見を聞いた。「そうだね。NAKAIの言う如く、3年前のマットグロッソ州の作戦が、今度はパラー州で行われること、間違いないね」と、彼は確信して答えた。
(7)パラー州の半分以下の木材輸出能力しかないマットグロッソ州をして、この3年間に味あわされた悲惨な日々。木材に依存する奥地の町の衰退、住民の疲弊。そして、適者が生き残り、やっと往年の半分近くまでの生産量に復元しつつある。それと同じ事が、パラー州で起こるのだ。アマゾン木材の80%を輸出すると思われるパラー州で、同じ悲劇が起こるのだ。
これを、『アマゾン木材事業の地殻変動』と言わずして、どの様な言葉で表現できるのだろうか。
『IBAMAとパラー州政府は、120箇所の介入捜査を行い、不法原木流通を止める』。現在のベレンの大手輸出業者の材料は、写真にあるような、南パラー州のTAILANDIA地方、あるいは、アマゾン河を使って運ばれる、サンタレンやイタイツーバ地方からである。これを断ち切る、と言うのだ。
○ある一つの身近な「例題」
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それは先週の事。私の知るパラー州奥地の20年来の木材輸出会社から、輸出オッファーを受け取った。私が4月に訪日することを知って、E−Mailを送ってきたのである。しっかりしたメーカー、品質も良い、納期も守る。ただし常に値段が10%以上高い。だから、今まで日本に売り込む事が出来なかった。事実、メーカーも、日本より欧米に昔からの顧客がおり、日本に出す特別な理由もなかった。だから、私の引き合いに対して、木で鼻をくくった様なオッファーが来ることが多かった。
ところが今回は少し異なった、すぐ返事が来た。その中に、IPE DECKがあった。
IPE DECK 20x105mm、FOB US$2200 (Net Price)
「わあー高いな」と言うのが、第1印象。そして、悪戯心が起こった。
「日本にこのOfferをながしてやろう」、と。現在のIPE DECK不足を聞いていたからだ。この悪戯を、あとから「すんません」と謝れる親しいお客さんを3社選んで、E−Mail 送った。その返事は、予想通り、皆が皆、「高すぎる」だった。
それと前後して滅茶苦茶なNewsが飛び込んで来た。1レアルが、1.70ドルになってしまったのだ。「まさか」
我々木材屋が毎日顔を合わせての最初の言葉が、「なんぼやった」(大阪弁で言うならば)と、昨日のレートを問い合わせるのだ。そして、毎日安くなっていくのにイライラするものの、「仕方ないなー。こんなボロの国に金送るアホがおるもんやなー」と問わず語りに話あっていた。しかし、1.70を切るとは誰も想像しなかった。それと前後して、この新聞記事に、上記の私の尊敬する木材屋仲間が、『パラー州の木材業界の地殻変動』を、断言した。「こりゃ、何が起こるか分からんぞ。。」そう思ってすぐ上記の日本のお客さんの一人に E−Mailをいれた。
「ビール一本、賭けませんか? 私が日本に着く4月に、イペデッキ、20mmが、FOB$2200になるかどうか? 私は、$2200に賭けます。どうですか?、と。」
まだ返事は得ていない。勿論これは日本で旨いキリンがタダで飲めるかどうかどころの問題ではなくて、「IPEと言う黄金のような木材を、足で踏みつけ、太陽を浴び、雨水に叩かれるような用途のDeckに、使い続ける積りですか?」と、日本のお客さんへの、皮肉な一石を投じようとしているのである。
「アマゾン木材20年。こんな事初めてです。全く先が読めません。」
パラー州での捜査で違法伐採原木を摘発
これらの摘発木材を没収、輸送するには、500台のトラックが必要
2008年2月25日
(パラー州、タイランヂア市特電,エドアルドヌノムラ)
パラー州南の、TAIPLAC社、PRIMAVERA社、TAILAMINAS社の3社が約10,000m3に及ぶアマゾン木材の違法伐採をしている事実で摘発された。これらの原木を没収輸送する為に、50台のトラックが急遽調達された。各トラックは10回のピストン運転を行っている。この介入捜査は、今年予定している120回の第一回目である。3社の製材所責任者は現在まで所在不明である。
タイランジア市は、過日INPA(宇宙衛星庁)によってリストアップされた違法伐採場所,36市の中に含まれていない。しかし、パラー州の新しい木材集散地であり、その製品は国内市場のみならず世界に輸出されている。パラー州の主なる木材集散地で、今まで介入捜査がなされた町は、パラゴミナス、アウタミラ、ノーボプログレッソの3市であった。木材が伐採され尽すと、製材所は、又、別の森林に移住する。つまり、アマゾン森林の「伐採地循環」である。(木材集散地が移動している)。
「アマゾン木材の違法伐採に関してのタレコミがあった。」パラー州環境庁のバウミーオルテガ氏が説明する。タイランジア市には65、000人が住んでおり、凶悪犯罪が多い市の一つに数えられている。この町に、約150の製材所があり、その工場群は国道PA−150から遠望される。これらの製材所が、この町の経済を支えているのだ。パラー州南で操業する多くの製材所のオーナー達は、大量の原木が違法伐採されており、それが最終製品に加工されて、偽の許可書で取引されている事を知っている。IBAMAの原木伐採の監視体制が不十分であるから、JATOBAやANGELIMやその他のソフトウッドが伐採されており、今回の摘発にもこれらの木材がみられた。
月曜日に始まった今回の摘発は、中断することなく終わるまで続けられる。恐らく今後の摘発原木量は倍増し、パラー州に於ける最大の原木摘発量の一つに数えられるかも知れない。
この製材所立ち入りに加えて、「炭焼き」および「鉱物採掘」も摘発された。いずれも違法であった。
今回の介入捜査には、120人の担当者が参加している。IBAMA,パラー州の軍警察、民間警察、税務署、環境庁である。IBAMAから参加した重役、フラビオ モンチエル氏が強調するのは、「今回の介入が、以前のものと異なるのは、パラー州政府と、ブラジリア中央政府からの参加があることだ」、と。
IBAMAは、2008年度に、120件の合同介入捜査を行う
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IBAMAとパラー州政府は、今年、パラー州で120件の合同介入捜査を行う。その目的は、違法伐採木材の流通を止めるためである。パラー州は昨年、300万m3の原木伐採を許可した。しかし、実際には、その3倍の1200万m3が伐採されたと思われる。パラー州政府は、原木の70%が違法伐採されたと認めている。
昨年、パラー州知事、Mrs.ANA JULIA CAREPA(PT党)は、ある一つの決定を行った。「摘発された原木は、IBAMAの倉庫の中で腐らせるのではなく、競売に賭けて売って良い。その資金は、違法伐採取締りの為に使われる。」
以上.
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