平成21年11月16日
理念と経営者の会=業績を挙げる、経営者同士が切磋琢磨する、中小企業の
活性化
経営=工夫をして、より高い付加価値を作り出し、社員を守り、事業を営むこ と。うまく営むことによって幸せになる具体的な方法です。
経営の状態がどう変わろうと、経営の基本は変わらない。
日本の国を立派な国にするのは、経営者です。
外貨準備高は中国が世界一になり、これからは中国の時代。
生産においては、デジカメは世界の50%、ノートパソコンは80%、携帯電話は3.3億台、自動車は1,200万台の生産を誇っています。
眠れる中国が真剣に立ち上がったのです。この繁栄は100年は続くだろうと思われます。『自分の手で幸せを握るんだ』と思った途端、中国は変革を遂げた。
日本も戦後、立ち上がろうと腹をくくったら、40年で世界一の外貨準備高を誇る国になった。終戦の時の凄さは、現状からは感じられない。更に落ちるところまで落ちないと腹をくくるところまではいかない。
障害の大きさは成功の大きさに比例する。
「何とかせないかん」という一念さえ持てれば乗り越えられる。
昭和2年、金融恐慌勃発。松下電器もメインバンクの十五銀行が破綻したが、その2ヶ月前に住友銀行と約束をしていたので、難を逃れた。
「借りたくなった時には,無担保でお貸しします」という口約束があったのです。それ以降、長い間、取引銀行は住友銀行一行だった。
当時、主に3つのことを実施。
@ 機関紙(月間誌−松下時報)を発行
A 3行広告を出す
B 電熱部門を新設
昭和4年 世界的な大恐慌
@ 役員会で対策を練る
A 1日の生産を半日生産にする。後の半日は営業に出る。
B 経営理念を作る。
その他にも多くの施策を実施しました。
自社の商品が日本一である。良い商品を作れば売れる。
事業は何の為に行うのかを真剣に考える。
大正6年 松下幸之助翁、独立するも失敗。2人の人を大阪電燈に戻す。
大正7年 反省して、人様に喜んでもらうのを一番と考え、この年を創業の年とする。
品質は良くした、価格は3割下げた、心は入れ替えたということで売れるようになった。松下の今日があるのは、本当は最初に大失敗して心を入れ替えたことです。
世の中に不可能だと思われているものをつくること。
◎大事なのは、マーケットは自らつくるものだという考え方です。
最初、松下幸之助翁が東京へ営業に行った時、卸問屋で従来の他社製品と同じ単価で買ってほしいと言い切った。値引きを要求されたのですが、単価を下げるのは簡単だが、社員さんのことを思うと、とても下げられないと言い切ったのです。
「変化に乗り遅れるな」というのは良い言葉ですが、変化に気づいた時には既に遅れている。変化の先取りをすると言っていた私は、幸之助翁から生意気だと言われ、どうやって変化の先取りをすると尋ねられて返答が出来なかった。
答えと尋ねると、「自分で変化を起こすんや」と言われた。
自社製品がシェアー100%の時は売れない。
シェアーが60%になってくると売れるのです。
◎どれだけ世の中に尽くしたのか?
尽くしただけ返ってくるのです。
◎「頭を使え。コストはゼロや」
未だに特許の数は日本でNO.1
◎「新しいマーケットを作るんや」
従来からあるマーケットに追随してもダメ。
◎世界一の能力を誰でもが持っている。信じると谷亮子のように金メダルが取 れる。
◎今、瞬間の心を持つこと。社員のため、社会のためという一念を持つこと です。
指導者にとって、この一念を持つということが大事です。
経営問答
@ 豊岡で従業員が70名、建設業を営んでいます。
売上が低迷しているので、畜産業(但馬牛)をやろうと思うのですが、
どうでしょうか?
答:松下幸之助翁からは、こういったことを言われた。
「木野君、君な、凧揚げしたことあるか?」
「凧揚げ出来たら、経営は出来るんや」
「凧の足は会社を支える経営者と社員や。骨は幹部や。風は経済やが、風が ない時は、どうするんや」
「そうや、走るんや」
社員が70人もいると、経済はゼロにはならない。良い仕事を追求していけ ば、仕事は必ずある。良い仕事が出来れば、遠くにも仕事がある。
松下幸之助翁は同業者が破綻していく中、自社だけ伸びているのは悪いな と思った。
「新しい仕事は何故やるんや?」
「利益がありそうやと思ってやるとダメやで」
「その業界へ土足でいくようなもんや。相手が嫌がる」
松下電送では、仕事がない時に無線タクシー用の無線機を考え出した。
他社はどこもやろうとしなかった。まず急行の停まる駅のタクシーに販売 していった。
人の為、社会の為に喜んでもらえる商品を開発しないといけない。
土足で踏み込むと単価を下げないといけない。
自分の作ったマーケットがベストです。
SOSを上げているものは世の中に一杯ある。
日本国中から注文を取れば良いのです。
悪い条件ばかり浮かぶのは、頭の良い経営者で、幸之助翁のように学校を出 ていない者は、悪い条件を考えない。
今の仕事が天職だと思って、逃げ出さないことが大事です。
A 加美町で小さな小売業を営みながら、議長をしています。政治にも経営の力
が必要だと思うのですが、如何でしょうか?
答:その通りです。
経世済民というように、一般の人々が幸せになるようにするのが経済なの です。
ダム工事を中止すれば、今までのことがムダになる。
今の政治家は国民を忘れている。
本当は経営感覚で政治をすべきなのです。
日本は異常です。
B
経営者としてやってきて、良かったと思うことを一つ、二つ教えてくださ い。
答:東京オリンピックと大阪万博で松下は驚異的な伸びを示した。
中国も北京オリンピックと上海万博で勢いがつき、来年の終わりごろには 世界一の中国が誕生している。中国の繁栄は貧富の差が激しいので100年は 続くと思う。
「君なあ、悩むことはあるか?」
「幸せやなあ」
「君なあ、迷うことはあるか?」
「迷うたら、あかん」
悩めば悩むほど成功の数が増える。
悩みが大きければ大きいほど、成功も大きくなる。
やはり正義が勝つ。
その人に応じた障害が起こる。全て乗り越えられる障害です。
大きな障害、困難に出会うと人間は頭が良いから、「これはあかんわ」と思ってしまう。
晴れ晴れとした一念があれば、乗り越えられる。
51代、さかのぼると2,251兆人の先祖がいるのです。その中にはノーベル賞候補もいたはずです。我々も、そのDNAを受け継いでいるわけです。
「悩む」大いに結構なことです。悪条件を結構なことやと受け止め、真正面から王道の経営で乗り越えるのです。
世の中、成功するか失敗するかは、指導者の一念です。
大切なのは、魂と魂の触れ合いです。指導者の一念で変わるのです。
自信を持ってください。心が入れ替わった瞬間に今日から「やるんだ」と決めることです。ここから帰る途中に、「やっぱり無理やな」と思うようではダメ。
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